鬼の花嫁
「ね、さっきの話…
誰にも言っちゃだめよ」
こそっと小声で話す。
「あ……」
涼さんの事…………
闇之処刑花道…だっけ……
苦笑いを浮かべて水流さんが続ける。
「そんな事を聞くと怖いかもしれないけど…普段は頼りになる姉様って感じよ」
ちらりと涼さんに目をやる
着物姿の上品で、
一つ一つの動きがとても洗礼されていて
女性の代表のような人……
あの美貌なら
一国の王子でも皇帝でも殿でもなんでも、
男性なら誰でも虜に出来てしまうだろう。
女の私でさえ、
とても魅力を感じさせる人だ。
どれだけの宝石を積んでも
涼さんの隣ではくすんでしまいそう…。