鬼の花嫁
それを見て、
手首を自分の唇にあてがい、
自分の血を口に含む。
それをそのまま、
風神さんの唇へとキスをした。
(お願い……風神さん………)
すると、
ゴクン…と小さく風神さんの喉が鳴る。
ボー…っと虚ろに開く目。
「っ風神さん…!」
私は必死だった。
彼を死なせたくなくて、
どうしても救いたくて…
よかった、よかった、生きてる…!!
「……さく、ら………」
「だ、だめ…!起きちゃ……っ」
「茶番は終わりだ」
無捏灯が刀を私達に向け振り落とす。