鬼の花嫁
だめ…………
風神さんを庇うように体を重ね、
目を瞑ったその時
キン―…!と
間近で刀がぶつかる音がする。
「大丈夫?桜」
私の目の前に居たのは、
「涼さん……」
涼さんの周りにも数人の人がいて
狐を囲んでいた。
「桜ちゃん!」
「水流さん…」
私の傍に駆け寄り、風神さんの深手と
私の手首を見る水流さん。
「ちっ…闇之処刑人花道か…」
「あら、知ってはるんか。…なら、自分の置かれてる状況……わかってはるやんなぁ?」
クスリと妖艶に微笑む涼さん
「…次はとどめをさしてやる。待っていろ」
それだけ言い残して
去っていく無捏灯。
安堵の溜息と共に、涙が零れた。