鬼の花嫁
「風神さん……」
そっと震える手で彼の頬に触れる。
滑らかな肌に長い睫毛、
形の良い薄めの唇、整った眉毛
寝ている姿も綺麗……
そんな風神さんの美しい寝顔を見て
またじわりと涙が浮かぶ。
私が、もしあの時
自分で身を護る事ができたら……
風神さんが
こんな怪我を負う事はなかったのに……
………なんて私は無力なんだろう。
「ごめんなさい…」
そう言って彼の手を
ぎゅう…と握りしめる。
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