鬼の花嫁
「どこに行って……っ」
ふるふると震える唇を噛み締め、
今にも泣き出しそうな顔の私に
少し困った顔をする風神さん
「涼と話していただけだ。
……心配ない」
落ち着かせようとしてか、
なだめるように優しい声で話す
…それでも落ち着かない私は
感情を露わにして声を荒あげる
「刀が貫通してたんです!
平気なわけないじゃないですか……
それに、もう少し刀がずれていたら
心臓を貫かれていたんですよ!?」
だんだん……
涙が零れてしまいそうになっていく。
そう……
もしかしたら、
彼は死んでいたかもしれないのだ。