鬼の花嫁
流れる沈黙を破ったのは風神さん
「…落ち着いたか?」
さらりと私の髪を優しく撫でて
その手は頬に留まる
「………はい」
小さく返事をして
風神さんをじっと見つめる
優しい優しい眼差し………
月明かりに照らされた彼の姿は
いつも以上に綺麗……
「桜…自分を責めるな」
「で、でも風神さんが傷を負ったのは…」
「あれは俺の意思だ。
お前が悩むことではない。それに…」
風神さんの視線が下に行き、
私の左手を掴む。
「俺の為にしたことなのだろう?」
「あ…」
包帯が巻かれた手首を見て
悲しそうな顔をする風神さん