鬼の花嫁
今日も、冬だというのに汗が出るくらい
うんと稽古を頑張ってから
お礼を言って帰ろうとした時、
「あ、桜。ちょっとお待ち」
ふと涼さんに呼びとめられる
「これ」
手渡されたのは一本の刀……
鞘には桜が描かれており、
金色の線が2本。
とても綺麗な絵だ。
すらりと刀を抜いてみれば
研ぎ澄まされた刃が光る
もちろん、ガラクタではなく真剣…
「これ……」
「あげる。護身用にでも持っときぃ」
にこりと笑う涼さん。
練習で使ってる木刀や
風神さん達や涼さんの刀なんかより
少し短いけど、
私には十分すぎるものだった。