鬼の花嫁









「な、なに言って……っ」

「どーせなんにも考えてないんでしょ?
 なら、籍入れれば?」




真顔で言ってくる玲ちゃん


きっと冗談でなく、

本気で言っている。




玲ちゃんは現実的だから、

きっと甘い甘い結婚生活を

想像しての発言ではなく、

風神さんはお金持ちだから

苦労する事ないという意味での言葉だと思う。




でも……そっかぁ………


お嫁さん……かぁ………




そんな事、考えてもなかった。





そっと視線を落とし、

左手の薬指を見る





風神さんがつけた彼の印




俺のものだと言わんばかりの指輪








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