鬼の花嫁








食事が終わって、夜。

お茶を飲みながらくつろいでいた時に

ふと風神さんに問いかける





「風神さんって鬼の当主なんですよね」

「ああ」

「当主の妻が私みたいなので
 いいんですか?」




居間に沈黙が流れる




あ……軽く聞いたのに

な、なんか……へこむなぁ……





「…桜でいいんだ。いや、
 お前じゃないと務まらん」




風神さんが口を開き、

そう言いきる。



え?私じゃないとダメなの?




「私じゃないと……?」




湯呑みを片手に、

小さな声で聞いてみる





「俺は…お前じゃないとすぐ捨ててるさ」





その言葉に

飲んでいたお茶を吹く







< 206 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop