鬼の花嫁
そして止血をしながら
風神さんの怪我の具合を見て、
あたしににこりと微笑む涼さん。
「大して酷ないから…
心配せんでもすぐ塞がるわぁ」
「そ、そうですか…!
ありがとうございます」
深々とお礼をして
布団に横たわる風神さんを覗き込む。
彼の視線があたしと合い、
風神さんの口元に笑みが浮かんだので
それにつられてあたしにも笑みが浮かぶ。
「ちゃんと…見てました。…全て」
そう言うと、手を伸ばし
私の頬に触れる風神さん。
“えらい、えらい”
そう言われている気がして
私はにこりと微笑む。