鬼の花嫁
……それにしても、
どうやって帰るの?
多分、本当に彼は鬼だと思う。
この郷は排気ガスを発する車もなく、
街並みも一瞬の内に変わった。
今日はもう無理だろうけど……
明日には帰らないと
「………………。」
いーやー!!
絶対お母さんに怒られるー!
わ、私………
もうすぐ卒業だけどまだ一応中3だし!
受験生だし……っ!
(か、帰りたくなくってきたあ……)
気分が沈んだ頃…
私はお風呂を後にして、女の人に尋ねる
「あの…寝るとこ…ありますか?」
「はい、ご案内致します」
にっこり微笑まれて、
ボーっと足元を見ながら歩く
あー……なんでこうなったのかな?
ていうか、
なんでお泊りしなきゃなんないの?
妻ってなによ…
鬼ってなによ…
“口は災いの元”
まさにその通り