鬼の花嫁
「ここで一緒に寝ろってこと!?」
そう叫ぶ私の前に
煙管を吸い終えた風神さんが立つ。
「ふん、今さらか」
ニヤリと妖しく笑って
ガチリと腕を掴まれる。
“もう、遅い”
そう言っている様な瞳を向けて。
「わっ、ちょ…!」
腕を乱暴に引っぱられ、
布団の上に座る。
一瞬のうちに顎を掴まれ、
ぶつかるような口付けをされる。
「ん!ぅ…!?」
またしてもいきなりのチュー……。
口の中に煙管の苦い味が広がる。
もうなんなんだよ、キス魔ですか。
キス魔なんですか、風神さんは。
「ん…はぁ…っ」
そして…ゆっくり離れる唇。
またしてや酸欠のあたしに
息一つ乱れない風神さん。
それを見てまたもカチンとくる。