鬼の花嫁
「あんた名前は?」
話しかけられ、
にこりと微笑んで返事する。
「私は桜」
「そっか、俺は良助。
歳近そうだし、良助って呼んでよ」
「じゃあ、良助君…?」
「おう。よろしくな、桜」
にこっと笑顔を向ける彼
あ……可愛い。
良助くんのほっこりするような笑顔に
少しドキンっと胸を弾ませ
質問をしようと声をかけた時。
「桜」
聞き慣れた声が私を呼んで、
見てみると廊下から風神さんが
着替えを済ませたのか、
ひょこっと顔を出してきた。