鬼の花嫁






「あんた名前は?」



話しかけられ、

にこりと微笑んで返事する。



「私は桜」

「そっか、俺は良助。
 歳近そうだし、良助って呼んでよ」

「じゃあ、良助君…?」

「おう。よろしくな、桜」




にこっと笑顔を向ける彼




あ……可愛い。



良助くんのほっこりするような笑顔に

少しドキンっと胸を弾ませ

質問をしようと声をかけた時。





「桜」





聞き慣れた声が私を呼んで、

見てみると廊下から風神さんが

着替えを済ませたのか、

ひょこっと顔を出してきた。





< 46 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop