鬼の花嫁
「行くぞ」
「あ、じゃあ行くね。お弁当ありがとう!」
「うん。いってらっしゃい」
良助くんの見送りを受け、
風神さんの後ろをついて行くと
お屋敷を出て、山の方へと進んでいく。
「わっ、とぉ…!」
だんだん道が険しくなっていって
何度も小石や木の根に躓き
転びそうになる。
風神さんはというと、
先ほどよりも歩くスピードが速く
私とどんどん距離がひらいていく。
「風神さ…ちょっと待って下さい」
私の言葉を無視して
歩いて行く風神さん。
元々体力は無く、運動音痴な私。
こんな険しい道を
そんなペースで歩けるわけがない