鬼の花嫁
(……見失わないよう早く行かないと…)
そう思い、軽く息を切らしながらも
思い足を動かしていたのだが
「…へ?きゃあ!」
覚束ない足が
大きく出た木の根に引っ掛かり
派手に転がってしまった。
それに気付いたのか、
私の元へ少し駆け足で戻ってくる風神さん
「いったぁ…」
足首を捻ったみたいだ。
(はぁ……ダサ…)
捻ったであろう足首を軽く摩りながら
スカートに付いた土をパタパタと払う。
うーんと力を入れ、
立とうとしても痛くて立てない。
捻挫ってこんなに痛いんだ。
「どうした、足を捻ったか?」
「……そうみたいです」
先程とは、うって変わって
めちゃくちゃ優しい風神さん。