鬼の花嫁







「立てるか?」

「あ、はい。大丈夫です……痛っ…」





痛さに少し顔を歪ませる私を見て、

風神さんはしゃがむと同時……





「…無理をするな」

「え……きゃっ」





ふわりと軽々しく

体を持ち上げられてしまった。





つまり、風神さんに

お姫様抱っこをされている状態なのだ。





「だだだ、大丈夫です!
 降ろしてくださ…んん!」





いきなりにも奪われた唇。




わけがわからないけど、

甘い甘い口づけに思考回路が麻痺する




「ん…ふぅ……」




息が苦しくなって彼の肩を押す


……だけどやめてくれない。





目をうっすら開けると

全く息が乱れていない

彼の美形がどアップで映る。






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