鬼の花嫁
(とりあえず理由を………)
「…っなにか私が
気に障る事をしたんでしょう?
なら言ってください!」
(機嫌損ねたままじゃ、
帰してもらえないかもしれないもん!)
そう言うと、ゆっくりこちらに
視線を合わせる風神さん。
「…朝」
「え?」
「朝、お前は良助に笑いかけていた」
「は、はぁ……」
「俺には笑顔など向けぬのにな」
……………へ?
相変わらずツーンとした表情の彼。
少し固まる私。
え……?
つまり、私が良助くんと笑顔を浮かべて
楽しそうに話している所を見て………
………怒ってるの?
「……はっ…あははっ」
思わず笑ってしまった。