鬼の花嫁
「……なにがおかしい」
ははっと笑う私を見て
嫌そうに目を細める風神さん。
「あはは…ははっ」
「もういい」
「いいえ、風神さん」
「……」
「私は貴方にも笑いかけます」
にっこり微笑んで言うと
「ふん」と言って前を向いて
歩き始める風神さん。
そんな彼の横顔を見て、
段々と心が温かくなっていく。
何この人、可愛い人じゃないか。
そして倒れた丸太の上に
優しく私を座らせてくれる。
捻ってしまった方の足を持って、
優しく撫でられた。
「痛いか?」
「少し……」
「ふむ。大した程でもなさそうだが、
歩けんのか……」
「す、すみませ……」