鬼の花嫁
「さて。まぁ、
お前のいう学校とやらに行くぞ」
そう言って連れて来られた時と同じく、
額に手をかざす風神さん。
と、同時に握りしめられる手
「手?」
「また叫ばれては耳が痛いんでな。
これなら離れはしない」
トン…と額を押され、
真っ暗の中に落ちる
真っ暗で怖いけど、
前よりも怖くなくなった。
…でも、
「きゃあああ!やっぱ怖い!無理無理!
内臓浮くうぅぅぅううう!ふわってするうううう!」
大絶叫の私。
「…はぁ……」
風神さんのため息が聞こえたと
ほぼ同時にぎゅう…と抱きしめられる。
ああだめだめ、怖すぎる!
離れてしまわないよう、
腕を彼の背に回し必死にしがみついた。