鬼の花嫁
「では。妻が礼になったな。
改めて礼を言うぞ」
「うふふー。お幸せにね」
ほっこり天然な先生と風神さんの
噛み合っていない会話を聞いてから
保健室を出たところで風神さんは立ち止まる。
「……で、次はどこへ?」
「え…えっと……」
その時、目の前から
担任の堀内が歩いてくる。
「桜」
ぎゃあああああ…!
名前を呼ばれた途端、
ゾクッと背筋に嫌なものが走った。
私の担任は、たまーに名前を呼び捨てする。
何度やめてと言っても
やめてくれないし…
私は、教師という職業の人が
若干苦手なのであまり関わりを持ちたくないのだが
この人は、そういった私の地味な
関わらないでオーラに気付いてくれない。
担任はおじさんだし玲ちゃんの話でも
セクハラのような嫌な事しかしないから
大嫌いなわけで…
ああ、勿論おじさんに偏見を
持っているわけではない。
私は好きよ、おじさんのダンディーさとか。