鬼の花嫁
第二章
母親
それから引き止められることもなく
あっさり校内から出る事が出来た。
…私の学校、ゆるいよ……
「では帰るぞ」
「ああ…!待って!」
それはだめ!
また鬼の郷なんて連れて帰られたら
次いつ帰られるかわからないもん。
な…なんとか、
ここに留まる理由を………
「い、家に帰らないと…」
「家?」
「お、お母さんに
無断で泊っちゃったし?謝りに…」
少し考え込む風神さん
「いいだろう」
「あ、ありがとうございます!」
本当は今、一番会いたくないのが
お母さんなんだけど…っ!
絶対怒られるけど…っ!
それよりまだ……
得体のしれない鬼の郷へ行くより、
人間界に居られる方が良い。