鬼の花嫁





母は極度にプライドが高いのだ。



娘である私にさえも

感情をあまり表に出さない。




そんな母だから、

感情を露わにして怒鳴りつけるなんて

絶対にしないし取り乱す事もない。




変わりに、目が笑っていない笑顔で

淡々と毒舌を吐かれる


………それが逆に怖く、

いつも謝るのは私。



まぁ、私がいつも悪いんだけども。





「お母さ…ごめんなさい」




そう言うと少し和らぐ笑顔の仮面。



謝るとそれ以上は

引きずらない人だからだ。




「……何処に行ってたの?
風神さんとはどういう関係?」

「か、風神さんのとこに
泊っていました…。それで、」

「貴方の彼氏?」

「あ、いや…「いや、桜は我妻だ」」






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