ティアドロップ




「あぁ、妹の彼氏を殴るわけにはいかないよね、ごめんごめん」



光の腕を掴んだ史哉先輩の右手の力が少しだけ緩む。





「でも」


そして史哉先輩は、不気味さえ感じ取らせる雰囲気で笑顔のまま、こう言い放った。











「女の子の胸倉を掴むなんて最低なんだね。

それが僕の知らない女の子ならまだしも、ひーちゃんだったなんて許せないな」












「――ッい!」


「史哉せんぱ…!!」


「ふ、ふみ兄!?」





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