ティアドロップ
「…ひーちゃんは、可愛いよ」
「お世辞なんて、気分よくないですよ?」
「お世辞じゃないって…」
どう受けても、お世辞にしか聞こえない。
大体、私…こんなにデカイし、出るとこ出てないし、髪も短いし、男の子そのものだし。
「ひーちゃんは…可愛いよ」
「…っ」
耳元の髪の毛をひと束、触られる。
その拍子に一瞬だけ耳に触れた指が、ゾクッと身体に熱を帯びさせた。
「こんなに、可愛い」
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