ティアドロップ





「……瑞紀…」


「……」






史哉先輩の細いふわふわした髪の毛が、頬にあたる。



「……守るよ」


「…え…?」


「俺が、瑞紀を守るよ」




…分からない。



「どういう意味…ですか?」


「瑞紀が泣くのは…もう、俺の前だけにして欲しいんだけど…」


「……」



「……ダメ?」




私は、目を閉じた。


安心という恐怖の渦に足を引かれ続けたその場所は、






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