ティアドロップ



「はは……そうですか…」



実は30分前からずっと待ってる…なんて、言えるわけない…。


何故、私がいま史哉先輩と遊園地にいるかというと、それはこの間…私が始めて誰かがそばにいる前で泣いたあの日まで遡る。




  *   *   *




「じゃあさ、気晴らしにどっか、パーッと出かけない?」


「お出かけ…ですか?」


「そ! もうすぐ七夕で、その日は休日。瑞紀、なんか予定ある?」



「いえ…殆ど毎日暇なんで…」



「じゃ、決定! 七夕の日は朝の10時から遊園地!」



「えぇっ…!?」




  *   *   *




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