ティアドロップ
170cmの私より10cmも高い長身の、松浦郁都(マツウラ イクト)先輩。
…我らが生徒会長様である。
「あっれー、奇遇だね! ひーちゃんもこの時間だったんだ!」
「えぇ…まぁ、今日は少し早いですけど」
「へぇー」
興味津々、といった感じで聞いてくる松浦先輩こと、マツ先輩の大きい声が電車の中に響いて結構恥ずかしい。
「あ、ひーちゃんひーちゃん!」
「…その“ひーちゃん”って、やめて貰えないんですか?」
光の彼女が、光の事を呼ぶとき“ひーくん”って呼ぶから……なんとなく、嫌だ。