ティアドロップ



「ね、ひーちゃん。行こう? まだして欲しいこと、いっぱいあるんだよ?」


「えっ……あ、先輩…っ」


「は? ちょ、瑞紀…!?」



マツ先輩が、全然動かなかった私の手を引いて学校側へ走り出す。

後ろからは「して欲しい事って……っ」という感じに光の声が聞こえてたけど、最後のあたりが風に消されて聞こえなかった。





「ま…マツ先輩…っ?」


「俺のひーちゃんが、生徒会に顔も出さずに帰っちゃだめなんだよ」




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