ティアドロップ




そう叫んだあと、急に静まり返るリビング。


呆然とした表情の光と、立ち上がって唇を拭い、唾を吐きだす私。



汚いでしょ? 唾吐きだす女の子なんて、あり得ないでしょ? 彼氏なんて出来る筈ないよね。うん、分かる。可愛くない。女だなんてあり得ない。そうでしょ?


だから、





「もう…関わらないでよ…」




そう呟くと、今まで体験したことのない気持ちになって、なんでか目頭が熱くなって、身体全体から浮き出たみたいな感覚で浮かび始める涙。




< 64 / 131 >

この作品をシェア

pagetop