ティアドロップ




ぽつりと呟いた言葉は、史哉先輩に聞こえる筈がないほど小さな声だった。



筈なのに、





「……なんかあったの?」



そう聞いてくる声は、さっきとは違う、興味とか…そういうんじゃなくて。

頼りがいのある、優しくて心強い声だった。




「……えっ、な、なにもないですよ」


「……」


「……」



狡い…。



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