ティアドロップ




昨日の…史哉先輩が来る前のだ…。


そうと分かると、また悲しみ混じりの怒りが、ふつふつと湧き出てくる。




「ごめん、お待たせ!」


そう言って先輩が片手に持っているのは、小さな白い無地のポーチ。

女の子が持ち歩いててもおかしくないようなやつを……なんで先輩が?




「これ、あげる!」




そのポーチの中からでてきたのは、まだ未開封の…、



「……なんですか? これ…」



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