ティアドロップ





その場にいた生徒会メンバーがみんな、「何あいつまじで運悪過ぎ…可哀想…」と言った視線を史哉先輩にそそいでいた。






*   *   *





「ふわぁあ…」




生徒会が漸く終わり、学校を出るともう日が沈みかけていた。


赤みかかった紫色に染まる空。陰を帯びて灰色を見せる雲。



「……変わらないな」



不意に出た言葉は、街に向かって言った言葉だった。






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