黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



「やわらかくて、気持ちいい。」



私を腕の中に捕えるなり、ぎゅーっと抱きしめて。

王子は、嬉しそうに私の首筋に顔を埋めた。



「いい具合にあったかいし」


「……っ」



……そうだよ。

ついさっきまで、ポカポカのお日さまに温められていたはずなのに。

今は……



「ずっとこうしてるから。好きなだけ寝ていいよ?」




……もうダメだ。



フラフラと、
勝手に足が動いて。

広げられた腕に、
自分から飛び込んで。

ぎゅっとされて、
完全に身を委ねちゃって。


今、こうして、

コイツの腕の中でこんなに安心しちゃってる。



少し前だったら、考えられないこと。



でも、もう遅い。

私は知ってしまった。



悔しいけど、
ここにいると落ち着く。

心地よくて、
安心できる場所…なんだ。















「…あ、ゴメン。ちょっと待って。」



……ん?

うとうとしてたのに。


うっすらと目を開けて、
顔を上げてみれば……



「眠る前にキスさせて?」



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