黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



「なっ…何してんの?」



……気がつけば、

私は、なんだかとんでもない格好になっていた。


視界は反転。

背中に当たる固いコンクリートの感触。

覆いかぶさる身体と、その肩越しに見える青空。


いつの間にか外されていたボタンの数々と

はだけた胸元。

そこに寄せられる唇…って、



「ちょっ…やっ」



声を上げて身をよじってみたものの、まったく効果なし。

それどころか、スカートの中にまで手が伸びてるし。



……このままじゃ、私は確実に襲われる。


“ここ”で…?



「…やだぁっ!」



たまったもんじゃない。

ここは、曲がりなりにも、“学校”で。

“屋上”だよ?



「……風歩ちゃん?」



ドンっと。

力任せに押し返した私を、案の定、きょとんとした顔で見下ろしている“変態”。

……まったく。



「…いやなの。」


「え?」


「こんなところで、こういうことはしたくな…」


「…あ、もしかして、背中痛かった?」


< 23 / 147 >

この作品をシェア

pagetop