黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「さすがだよね。
あのテニス部の“キャプテン”だけあって完璧だよ。」
「へっ?」
「修ちゃんに任せておけば大丈夫。心強い“クラスメイト”だね」
すごく満足気に笑ってるけど…
修司を同じクラスにしたのは、そのため?
コイツは…
鈍いフリして、意外に黒いよね?
ここの鍵だって…
「だから、何も心配はいらないよ。」
「えっ?ちょっ…」
「何かあったら、電話が来るはずだから…」
ぼんやりしてる隙に、
じわじわと。
再び縮まった距離と、
重なる体温。
「……っ。」
もう逃げられな……
――ブーッ。
絶妙なタイミングで響き渡った振動音。
それは、まさに…
「修ちゃんって、細かいね。」
電話を終えて、振り返ったヤツは大きくため息をついた。
「あれは確かに、典型的な“A型”だ。」
…あんたに言われたくないと思うよ?
「…仕方ない。俺、教室に戻るね?」
名残惜しそうに微笑んで、私の髪をひと撫でして。
「“つづき”は…放課後、改めてしよう?」
ヤツは屋上を後にした。
……助かったぁ。