黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「最近、人気あるらしいな。」
――とある昼休み。
“いつものように”俺の課題を写しながら、ダイスケが呟いた。
「…え?何が?」
何の話をしてたっけ?
首をかしげながらダイスケを見れば、
「何って、浅海だよ浅海!」
当然だ、と言わんばかりに声を上げた。
「へっ…?」
「2年の終わり頃からかな?露出が増えるにつれて、じわじわと…注目する輩が現れ始めたわけよ。」
「露出…?」
「そ。それまではホラ、ほとんど姿を見せなかったじゃん?実在するかどうかわからない“幻の生物”みたいな感じでさ」
幻の生物、って…
なんだかすごい言われようだなぁ。
確かにその通りだけど。
「ホラ、アイツは見た目“だけ”は素晴らしいからな。あの外見に幻想を抱く男も多いんだろうよ。」
性格は最悪なのに、と。忌々しそうに呟いてから。
「特に、新入生に人気があるらしいから…気をつけろよ?」
にやっと、ダイスケは楽しそうに笑った。