黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
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「紗耶さんって、素敵な人だね。」
帰り道。
片手には“プレゼント”が詰まった袋を。
もう片方は彼女の掌を握って歩く。
長居しちゃったせいで、すっかり暗くなっちゃったから。
ちゃんと送り届けてあげないとね。
「さすがお兄さんの“彼女”って言うか…すごくお似合いだよね。」
たぶん、将来的にあの人が俺の“お義姉さん”になると思う。
話しててわかった。
「美人だし、しっかり者だし。何より風歩ちゃんとも気が合うでしょ?…って、聞いてる?」
並んで歩く彼女を見れば…
「………。」
俯いて、黙り込んだまま。
俺のほうを見ようともしない。
手だって…
いつもなら、こういうつなぎ方は嫌がるのに…されるがままだし?
紗耶さんの家を出てから…いや、あそこにいるときからずっとこの調子なんだよね。
ぶすっとしたまま。
何もしゃべらないで…
…まぁ、原因なんて、
俺にはお見通しなんだけどさ。
「…仕方ないんじゃない?」