黒猫*溺愛シンドローム~Plus~



「なっ…私は、べ…別に何も……」


慌てて否定して、俺から視線をそらしちゃったけど…


「隠そうとしても無駄だよ?俺は、風歩ちゃんのことならなんでもわかっちゃうんだから。」



お兄さんが二度目の旅に出てから、彼女には一度も連絡はきていない…はずだ。

海外ならともかく、同じ日本にいるのに。

ケータイだって持ってるんだから、一言くらいあってもいいはずなのに…


平気な素振りをしつつ、ひそかにお兄さんからの連絡を待っていた彼女。

いなくなったときだって、あんなに寂しそうにして。

なのに…

連絡がないどころか、
“彼女”にはしてただなんて、ショックだとは思う。でも…



「いくら“兄妹”でも、一生面倒をみることはできないんだよ?」



“現実”は教えてあげないとね。



「ずっと一緒にはいられないし、いずれ別々の家族になるんだから。」


「…はっ?」



いつまでも甘えられると思っちゃいけない。



「いい加減、“お兄さん離れ”しなくちゃ。」


「…はい?」


「これからは、
甘えるなら、お兄さんじゃなくて俺にしよう?」


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