黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「今日もいい天気だなぁ…」
屋上にて。
見上げれば、雲ひとつない青空が広がっていて。
陽射しはぽかぽかだし、まさに絶好のお昼寝日和。
退屈な授業から逃れて。
うるさい“見張り役”からも解放されて…
いつもの私なら、迷わずここで熟睡しているはずなんだけど……
「……なんで、こんなことに?」
思わずため息。
「これじゃ、落ち着いて昼寝もできないよ…」
そもそも、横になれないし?
くつろぐどころか、
異様に緊張するって言うか…とにかく、妙に心拍数が上がってる気がする。
だって……
「なんで、アンタがここで寝ちゃうわけ?」
――私の膝の上で。
それはもう無防備に。
気持ちよさそうに寝息を立てる“綺麗な”生き物。
人はこれを“王子様”と呼ぶわけだけど…
「…これって、“隠し撮り”したら、きっと高く売れるよね?」