黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「開いて…る?」
そうこうしてるうちに屋上に着いて。
鍵を開けて中に…と思ったのに、それは既に開いていた。
え?かけ忘れ?
いやいや…
さっき出るとき、アイツが施錠してるのを見てたし。
じゃあ…
来てる?…わけないよね。
おかしいな?と思いつつも、そっとドアを開けて…
用心深く、ゆっくりと中へ進んだ。
「………誰?」
青空の下。
私の指定席あたり。
誰か、がいた。
「……?」
わかるのは、男子生徒ってことだけ。
制服は見えるけど、ネクタイまでは見えないし、
ましてや顔なんて…
でも、このまま見過ごすわけにはいかない。
恐々と。
でも確実に近づいて…
私は、そいつを確認した。
「うわぁっ…」