黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
そこにいたのは、
キラキラの“美少年”。
ネクタイの色からして1年生みたいだけど…
これはすごい。
そりゃ、あの兄妹には負けるけど…って言うか、
こっちはまた違うタイプ。
たぶん、遺伝子レベルで。
「すごい…」
思わず、しゃがみ込んでマジマジと見てしまう。
気持ちよさそうに寝息を立てて。
我が物顔で眠り込んでることには腹が立つけど。
でも、“鑑賞”するにはもってこいだわ。
小さい頭に、長い手足。
黒でも茶でもない、独特の髪色。
明らかに、日本人離れした彫りの深い顔立ち。
これは、たぶん…
「ん……?」
じーっと見ていた私の気配を感じ取ったのか、
“美少年”が動いた。
ヤバイっ。
と思ったのも束の間。
「………!」
パチッと開いた瞳。
あ…やっぱり。
それは、深みを帯びた不思議な色。
この子、ハーフだよね?
って、そんな場合じゃなかった。
逃げる?怒る?
知らんぷりする?
それとも……
「………ゆき?」