黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
「…そろそろ、起こしたほうがいいよね?」
――朝。
時計を見れば、家を出る予定の時間までもう1時間を切っている。
この前起こしたときには、
「15分あれば余裕だ」とか言って怒られたんだけど…
やっぱり、最低でも1時間は必要だと思うんだ。
ちゃんと朝ご飯を食べて、ゆっくり身支度をして…
“ふれあい”の時間が取れればなお結構。
カリンなんて、朝ご飯も毛繕いもすませて…ほら、今はすっかりくつろぎタイムだ。
このくらい余裕を持ってほしいんだけどなぁ…
とりあえず、起こそう。
「カリン、ちょっとごめんね?」
膝の上にいたカリンをそっと下ろして、
俺はゆっくり、“彼女”のほうへと近づいて行った。
「…可愛い。」
俺のベットで。
すやすやと、気持ちよさそうな寝息を立てている彼女。
被っている布団のせいで、顔は半分隠れてるけど…
「この可愛さは“犯罪”だよね…」
毎回、思う。
そして…
「だから、こういうことをしたくなるんだよなぁ…」
毎回、やっちゃうんだよねぇ。