黒猫*溺愛シンドローム~Plus~
布団をめくって。顔を近づけて…
“いつものように”唇を重ねてみた…ものの、
「……んー?」
やっぱり、反応も“いつもどおり”。
一瞬顔をしかめてから、ごろんと横に寝返りを打って。
そのまま、再び寝息を立て始める。
……あーあ。
ここで起きてくれれば、何の問題もないのになぁ。
起きてくれないから…
“こういうこと”になるんだよ?
「…ちょっと、ごめんね?」
一応、一言謝ってから。
顔にかかっていた髪を耳にかけてやりながら、ゆっくり向きを戻して。
両手で頬を包み込んで、俺は再び彼女の柔らかい唇に口づけた。
「……っ!!」
深く深ーく。
今度はしっかり捕えて。
息もできないくらいに熱く重ね合わせてみれば…
「…んっ!んーっ!!」
苦しそうにバタバタともがき始める彼女。
でも、ごめん。
まだやめるわけにはいかない。
童話の中のお姫様みたいにはいかないんだってこと、俺だってちゃんと学んだんだから――
「……私を殺す気?」