踏み台の女神
「それは踏み台じゃなくて、『幸運の女神』って言うんじゃないですか?」


「……」


とっさには何も言えず、私はつい、安永さんの目を見つめ返してしまった。


「きっとそうですよ。

的確に人を励まして応援してあげられるんだと思います。

誰でも出来る事じゃありません」


安永さんもこちらを見つめて、しかし実にさらりと、何でもない事のように言う。
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