踏み台の女神
安永さんはきっと、私よりずっと頭が良くて優しくてみんなに好かれる人だろうけれど

もしいつか、この人が何かで困ったり悩んだりしたら、ささやかでも私が力になりたいと思った。


悩みや弱音を全部聞いた上で、「あなたなら大丈夫」と言って、そっと背中を押したい。


それが、こんな私の事を「幸運の女神」だと言ってくれた安永さんに対する

一番の恩返しではないだろうか。



自分への祝福や賞賛なんて要らないから、そこまで悩みや弱音を打ち明けてくれるくらい、この人との仲を深められたら、どんなに嬉しいだろう。
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