踏み台の女神
石段を降りたところに、神様がいた。


「フミダイさん、安永さん。

こっちこっち」

と、私たちを手招きしている。


もう片方の手には、何やら透き通ったオレンジ色のドリンクが入ったグラスを持っている。


「お店の人に勧められてね。

これ、アプリコットフィズだって。


フミダイさんたちの船は向こうだよ。

案内するね」


そう言って、神様は私たちの前を歩き出した。
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