踏み台の女神
船を降りるところまで、安永さんが見送ってくれた。



「安永さん、今日は本当に楽しかったです」


「俺もです。


また、会いましょうね」


「はい、必ず。

……そうだ」



浜辺で安永さんに本名を尋ねられ、答えそびれたままになっていた。
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