踏み台の女神
安永さんに本名を告げると

「教えてくれてありがとうございます」

と、やはり柔和な笑顔で礼を述べた。


それから

「いい名前ですね。踏み台なんかよりずっと」

とも言ってくれた。



私はその笑顔をしっかりと目に焼き付けて、船を降りた。
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