踏み台の女神
今夜はその指定席に、ねこさんの他にもう1人分の人影があった。


先客がいるらしい。



私が近付くと、ねこさんは耳としっぽをピクリとさせてこちらを見た。


「いらっしゃい。
フミダイさん」


「遊びに来た。

これ、お土産」


酒が入ったコンビニのレジ袋を差し出して見せると、ねこさんの顔にパッと笑みが灯った。
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