踏み台の女神
「ねぇ、どうしていつも1人でここにいるの?」



もう何千年も昔のある日

神様はそんなふうに話し掛けられた。


声がした方には、まっすぐにこちらを見上げる小さな女の子が1人、立っていた。


女の子は黒い髪を肩の上で切り揃え、動物から取った毛皮の服を着ていた。



「ここでみんなを見守るお仕事してるんだよ」

と、神様は答えた。
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